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手招く館(アリソン・ムリヤリ描写あり)

ヴィルとアリソンがやって来た打ち捨てられた古い館。
降り出した雨に館の中に逃げ込んだ二人だったが、ヴィルの目の前からアリソンが消えてしまう。
幻の中で心を侵され、調教されていくアリソンの運命は?
ヴィルはアリソンを見つけ出す事が出来るのか?






激しい雨の中、一台のサイドカーが森の中の道を走っている。舗装されていない道はぬかるんで、サイドカーは人間が走る程度のスピードしか出せていない。
叩きつけるような雨でずぶ濡れの顔を拭って、サイドカーの運転席の少年が困り果てた顔で雲に覆い隠された空を見上げる。
「まいったな……。まさかこんなに天気が変わるなんて思わなかった……」
そうつぶやいた少年の名前はヴィルヘルム・シュルツ、ロウ・スネイアム記念上級学校の学生だ。
「ほんと、天気予報なんて当てにならないものね」
側車に乗った金髪の少女が答える。
彼女の名はアリソン・ウィッティングトン、同じ孤児院で育ったヴィルの幼馴染みである。
そして、この春一緒に行った旅先でアリソンがかねてから胸に秘めていた思いを告白してからは、自他共に認める恋人同士、将来のパートナーとなっている。
そう遠くない卒業を控えてヴィルが勉学に励んでいたある日、いつもどおり唐突にアリソンはヴィルのところにやって来た。
相も変らぬその調子に苦笑しながらも、ヴィルはアリソンを歓迎した。
学校所有のサイドカーを借り、いつかのように二人で出かけた所までは良かったのだが、出発の時から天気は一変、とんでもないどしゃ降りとなってしまった。
雨宿りしようにも適当な場所もなく、ずぶ濡れの二人は体を震わせながらここまで走ってきたのだが………。
「ここ、さっきも通らなかった?」
アリソンがヴィルに問うた。
「……うん」
ヴィルもそのことには気が付いていた。左手に見える大きな木は、先ほどから数えて三度は見ている。
そもそも今彼らが走っているあたりは、ヴィルが暇を見つけてはたびたび訪れている場所であり、迷うような場所ではないはずなのだ。
この道もほとんど枝分かれがなく、同じ所をグルグルと回るようなハメになるとは考えにくい。
何かがおかしい……。
雨に打たれて冷え切った指先が震える。体から熱が奪われていくのがわかる。
口にこそ出していなかったが、二人の頭の中に焦りと不安がむくむくと頭をもたげはじめていた。
その時、次第に口数が少なくなっていた二人の目の前で、周囲の景色を覆い隠していた木々が途切れて視界が開けた。
「ねえ、ヴィル……あれ!」
森の中に突如現れた開けた土地、そこにはつる草に覆われて佇む、大きな館が建っていた。

「すごい……」
アリソンが呆然と見上げる。いつ頃から打ち捨てられていたのだろうか?植物に覆われすっかり古びたその屋敷は、しかし朽ち果てることなくその姿を保っていた。
「こんな所に、こんなものがあるなんて……ねえ、ヴィル」
そう言ってアリソンは、自分と同じようにさぞかし驚いているだろうヴィルの方に顔を向けた。しかし、ヴィルの顔は予想に反して、平然とした表情を浮かべていた。
「驚いてないの?」
「うん。知ってたからね、ここのこと」
「えっ!?」
丸く目を剥いたアリソンに、ヴィルが嬉しそうに語りかける。
「そもそも、今日、僕がアリソンに見せたかったのはこれなんだよ」
この無人の館はヴィルのお気に入りの場所、秘密の場所だ。
まだ入学したばかりの頃、当時はサイドカーにも乗れなかったヴィルが当てもなく田舎道を歩いて辿り着いたのがこの館だった。
館の周りだけは暗く日の光を閉ざす樹木もなく、天気の良い日などには、ヴィルは館の前に立つ木の陰で心地よい時間を過ごしたものだった。
前々からアリソンも連れて来たいと、ヴィルは思っていたのだが……
「アリソンが来るときはいつも突然で、大変で……結局、連れて行ってあげる機会もなくって……」
「なによ、それじゃ私のせいで来れなかったみたいじゃない」
「あはは、ごめん」
言いながらもアリソンは、このオンボロ屋敷を気に入ってくれたようだった。感心したように何度も館を見上げるアリソンの様子に、ヴィルも微笑む。
「ここなら雨宿りもできるわね。それじゃあ、中に入ってみましょうか」
そう言ってアリソンはほとんどドアが外れかけている入り口に向かって歩き始める。その背中を追いかけて歩き始めたヴィル、その心の内に僅かばかりの不安がよぎる。
なぜ、今日に限って道に迷ってしまったのだろう?そもそもここに至る道筋は、一度知ってしまえば迷うようなものではないはずなのに。
くねくねと曲がりくねっているが、迷ってしまうような横道は存在しない。まして、同じ所をグルグルと回るような道の構造にはなっていないのだ。
見慣れたはずの館、しかし雨の中に佇むその姿は、日の光の下で見る時とは違う、なにか妖気のようなものを放っているように感じられる。
「あれ?ヴィル、どうしたの?」
知らぬうちに歩みの遅くなっていたヴィルに、アリソンが振り返って呼びかける。
その明るい声に、暗い気持ちを強引に振り払ったヴィルは、アリソンの後に続いて館の中に入って行った。

館の中は薄暗く、幾年もの長い間滞っていたはずの空気は妙に澄み切っていて、廃屋に独特の埃っぽさはなかった。
さっきの嫌な予感もあって、あまり中に踏み入るつもりはなかったヴィルだったが、アリソンがずかずかと奥に進んでいくので、それについて行くしかなかった。
「へえ、こんなに色んなものが残ってるのね…」
館の中は様々な調度品で満たされていた。実は玄関より奥には入ったことの無かったヴィルはきょろきょろと辺りを見回す。
普通ならば人が来なくても、動物などが入り込んで荒らされてしまうものなのだが、この館の中の調度品はほとんど残されており、年月による劣化が多少見られるだけだった。
さらに、様々な調度品の中で目を引いたのが館の壁のいたる所に飾られた鏡だ。様々な大きさや形の鏡は、どれも先ほど磨かれたようにその表面は輝いている。
何かが変だ……。
先ほど振り払った不安が再びヴィルを襲う。この館を訪れる度に感じていた心安らぐ空気が、今日に限っては感じられない。
(アリソンは気付いていないのかな、この妙な雰囲気に……)
無邪気に廃屋探検を楽しんでいるアリソンは、ヴィルの感じているような違和感には全く気がついていないようだ。
「あっ、このドアなんだろう?」
長い廊下の突き当たり、その隅っこにひっそりと隠れていた小さなドアをアリソンが見つけた。興味津々なアリソンは早速ドアノブに手を掛ける。
その時、その様子を見ていたヴィルの視界の端で、何かが動いた。
「えっ!?」
驚いたヴィルがそちらを向くと、廊下の曲がり角に人影が消えるのが見えた。
この館に、自分たち以外の何者かがいる……。
ヴィルの胸のうちに渦巻いていた不安感が大きくなっていく。とりあえずアリソンにもこの事を知らせなければ、ヴィルが思ったその時だった。
「きゃあああっ!!?」
滅多に聞くことの無いアリソンの悲鳴。振り返ったヴィルの見たものは、アリソンが開いた先程のドアから溢れ出した漆黒の闇、虚無の黒。
「アリソンっ!!!」
咄嗟に伸ばしたヴィルの指先は、アリソンに触れることすら叶わなかった。戸惑ったような表情で振り返ったアリソンは闇に飲み込まれた。
アリソンを捕えた闇は巻き戻されるようにドアの内側に引いていく。その中に飛び込もうとしたヴィルだったが、一歩遅く扉は閉ざされる。
「そんな………」
誰もいない廊下に取り残されたヴィルには、そうつぶやくことしか出来なかった。

得体の知れない漆黒の空間の中、アリソンは一人歩いていた。異常な事態にもかかわらず、その表情は意外と落ち着いたものだった。
軍人としての経験以前に、もとより肝が据わっているのだ。
「さて、これからどうしたものかしら……」
一人つぶやきながら、周囲の状況を確かめる。といっても暗闇はどこまでも深く、視覚で確認できるものは無い。
にもかかわらず奇妙なことに、アリソンは自分の姿を確かめることが出来た。自分の体だけが日の光に照らされたようにはっきりと見える。
足元は石かコンクリートのように硬くて平らだ。先程までの老朽化の進んだ木の床とは全く違う。
それでも、ここはあの館の中であるはずなのだ。取り敢えず壁にでも行き当たれば、それをつたって行けばどこかに辿り着くはずだ。
「よし!何はともあれ、まずは行動あるのみ」
そう言って一歩目を踏み出そうとしたアリソン。その肩を誰かがポンと叩いた。
「うわああ!!」
さすがに驚いたアリソンが叫び声を上げて飛び上がる。しかし、続いて聞こえてきたのは聞きなれた声だった。
「僕だよ、アリソン」
いつも通りの優しいヴィルの顔がそこにあった。アリソンと同じく、闇の中だというのにその姿をはっきりと見ることが出来る。
おそらく、アリソンが飲み込まれた闇に、自ら飛び込んだのだろう。
「ばか……ヴィルまで来ちゃって、これからどうするのよ…」
そう言いながらも、アリソンはヴィルが来てくれた事が嬉しかった。我が身を省みず得体の知れない空間に飛び込んだその行動はいかにもヴィルらしいように思えた。
「ごめん」
「いいわよ、今はここから出ることを考えましょう」
しかし、アリソンは気がついていなかった。
今、アリソンの目の前にいるヴィルがの目の奥の虚ろさに、まるでアリソンを見ていないかのように焦点の定まらない瞳に気がついていなかった……。

そうして、アリソンが先頭に立ち二人は歩き始めた。
しかし、歩けども歩けども何かと出くわすことも無い。ここが建物の中であることを考えれば、これは異常というほか無かった。
歩き続ける二人に会話は無い。というか、最初はアリソンが熱心に喋っていたのだけれど、ヴィルがほとんど答えようとしないので、次第にアリソンも喋らなくなってしまったのだ。
さっきから、ヴィルの態度が何か変だ。
何処にも辿り着かない苛立ちに、アリソンがそんな疑問を抱いたそのときだった。ドンッ!!と、大きな力で後ろから押され、アリソンは受身をとりながら転がる。
「な…何?」
わけのわからないアリソンの上に、影が覆い被さる。ヴィルだ。信じたくはないが、二人しかいないこの状況で考えられるのはそれしかない。
「や…ヴィル!?やめてよ!!」
凄まじい力で押さえつけてくるヴィルの下で、アリソンが苦しそうにうめく。なんとかヴィルを押し返そうと突き出した腕が、いとも簡単にねじ伏せられる。
「なんで?……なんでなの、ヴィル?」
ヴィルがこんな事をしてくることが信じられなかった。その暴力に自分がさらされていることが悲しかった。
抵抗する腕から力が抜ける。能面のような、ヴィルの無表情が見えた。
瞬き一つせず、感情のない瞳から投げかけられる氷のような視線は、もはや人間のものとは思えない。
どんな感情も感じられないその顔に、アリソンがひるむ。もはや、目の前にいるこれがヴィルであるとは信じられなかった。
いや、これはきっと人間ですらない。ヴィルのふりをした別の何か……。
「きゃううっ!!!」
上着をたくし上げられ、シャツとブラジャーを強引にむしられた。
乳房を揉みしだくいやらしい指先、乳首にしゃぶりつき執拗に舐め上げる舌先に、体がビクンと震える。
ショーツの中に指先を突っ込まれ、秘部を乱暴に弄られる。優しさのかけらもない強引な責め、その激しさに耐えるだけで今のアリソンいは精一杯だ。
「や…ひああっ!…も、やめ…あああっ!!」
これはヴィルではない。そうわかっているのに、気がついているのに、そのヴィルそっくりな姿を見るだけで抵抗する気力が奪われてしまう。
恐怖以上の悲しみがアリソンの心を捕らえて絶望に引きずり込む。
(駄目よ。これはヴィルじゃないんだから……、早く逃げ出さないと)
目の端に涙をためて、力のこもらない腕に気合を入れる。なんとかヴィルを押し返して、体勢を逆転させたかった。
しかし、唐突にヴィルに唇をふさがれ、仕掛ける機会を逸してしまう。絡みつく舌からは、腐った肉の臭いがした。唾液とは違う、別の何かどろどろしたものが注ぎ込まれる。
「んんっ…んうっぅ!?…や…なにぃ!?…ひあああっ!!!」
口をふさがれて呼吸もままならず、注ぎ込まれたどろどろをやむを得ず嚥下した瞬間、アリソンは自分の体の奥底からすさまじい熱が湧き出るのを感じた。
体中を耐え難い疼きが襲う。これまでは苦痛にしか感じられなかった荒々しい愛撫に、頭の芯が蕩けてしまうような快感を感じてしまう。
「や…いやぁ!?…あぅ!!…こんな…やらぁ!!」
自分の体の突然の変化に戸惑い、わけもわからずアリソンは泣き叫ぶ。
その姿を見下ろすヴィルの顔に、初めて表情らしきものが浮かんだ。ニタニタといやらしい、人を蔑むような邪悪な笑みがそこにあった。
もう逃げ出すどころではない。火のついたように熱い体をどうすることもできず、アリソンはヴィルの体の下で悶える。
何の抵抗も出来なくなったアリソン、その様子に、そろそろ頃合だと見て取ったのか、ヴィルはアリソンのはいているズボンを脱がせ、ぐっしょりと濡れたショーツを引き千切る。
「うあ…ああっ…だめ…そんな……だめぇ…」
涙声のアリソンの目の前に現れたヴィルのモノは、あまりに巨大でいびつな形をしていた。恐怖に顔を歪め、何度も首を横に振るアリソン、その秘部にヴィルのモノがあてがわれ、一気に突き入れられた。
「や…あああああああっ!!!!!!!!!!」
異形を自分の内側にめり込まされて、アリソンは思わず叫ぶ。しかし、苦痛の悲鳴はそれまでだった。
人間のモノとは思えないそれを抜き差しされるたびに、頭の中に火花が散り、下腹部は苦痛交じりの甘美な快感に満たされていく。
「あっ!ああんっ!…なんで…こんなのが…ひああっ!…きもち…いいのぉ!!?」
ヴィルの腰が激しく前後する。熱く硬いそれに自分の中をかき混ぜられるたびに、アリソンは堪え切れずに声を上げる。
涙に濡れ、現実を拒絶するかのように目を硬く閉じたその顔も、与えられる快感の大きさに紅潮し始める。
突き入れられながら体中の至る所を触られ、舐められ、揉みしだかれると、心とは裏腹に切なげな吐息を漏らしてしまう。
怒涛のように押し寄せる望まぬ快楽の前に、体がアリソンの支配の下から離れていく。
「…いやぁ…や…ああっ!!…や…もういやぁ…はううううぅっ!!!!」
突き入れられるごとに、自分のものでは無いかのように震える体が、絶え間なく襲い来る快感が、アリソンの精神力を次第に削り取っていく。
思考は何度も寸断され、わけのわからないことをわめくだけで精一杯だ。
(なぜ?…なんで?…何故なの?なんで私がこんな目にあってるの?)
問うたところでどうにもならない疑問が頭の中をぐるぐると回る。このままでは正気を保てなくなってしまいそうだ。
そんなアリソンの心を追い詰めるように、ヴィルはペースを上げていく。激しさを増す責めに、アリソンはついに限界を迎えた。
「…あっ!うああっ!!?…も…だめぇ!!だめぇっ!!!!これ以上はぁ…いやあああああああああああああああっ!!!」
華奢な体を弓なりに反らせて、アリソンは絶頂を迎えた。同時にアリソンの中で放たれた熱くにごったものが至急にたたきつけられる。
おそらくは人ですらない、ヴィルの姿を借りた邪悪な何か。それが放った白濁が自分の中を汚し、満たしていくのを感じながら、アリソンは気を失った。

自分の他に誰も見当たらない廊下を彷徨いながら、ヴィルはアリソンの姿を捜し求めていた。
アリソンが消えた後、急いであのドアを開けてみたが、無数の鏡が飾られた無人の部屋があるばかりだった。
およそ人知の及ぶものとは思えないあの闇、あれが何であるかはわからないが、今はアリソンがこの館にいると信じて探すしかなかった。
「僕がさそったばっかりに……」
ヴィルは責任を感じていた。自分がアリソンをここまで連れてきて、こんなことに巻き込んでしまったのだ。なんとしても探し出してあげなければ……。
それにしても……と、ヴィルは考える。あの人影は何だったのか?
、考えてみるとあの出現のタイミングは、アリソンだけを攫うためにヴィルの注意を他に向けるものだったのではないか?
自分たちをどこから見ている何らかの意思。もしかしたら、あの時道に迷ったのも、突然の悪天候も、それの仕業なのではないだろうか…。
急な大雨を降らせ、道に迷わせてずぶぬれにして、雨宿りのために館の奥まで踏み入るように仕向けた何者かが存在するのではないか?
ともかくも、今はアリソンを見つけることが先決だ。今考えても仕方のない問題は後に回しておけばいい。
気を取り直したヴィルが歩くペースを速め、曲がり角を曲がったとき、廊下の向こうに走り去る影を見つけた。
「あれは……あの時の?」
あの影に追いついて正体を見極めれば、現在のこの館の状況がわかるかもしれない。アリソンを見つけ出す手がかりになるかもしれない。
全速力で駆け出したヴィル、しかし影は嘲笑うかのようにヴィルが近づこうとするとそのたびに曲がり角や開けっ放しのドアの中に消える。
「もしかして…誘われてる?」
ヴィルの心にふっと疑念が湧き出る。このまま付いて行って大丈夫なのか?
考えても、今のヴィルには追いかけ続けるしかない。またも曲がり角に消えた影を追いかけて、ヴィルもスピードを上げる。
しかし、ヴィルの足はそこで止まってしまった。
「そんな……行き止まりだ…」
影を追いかけて曲がった角の先、そこにはガランとした空間が広がるのみだった。隠れられそうな物陰や、逃げ出せそうな出口は見当たらなかった。
あの影は一体何処に言ってしまったのか?呆然としたまま、ヴィルは辺りをきょろきょろと見回す。
と、その時ヴィルの後ろからドンという衝撃が襲ってきた。
「うわあああっ!!!!?」
誰かが後ろからヴィルの体に抱き付いてくる。一瞬パニックに陥りそうになったヴィルだが、後ろから巻きついてきたその腕に見覚えがあることに気が付いた。もしかして………。
「アリソン?」
腕から逃れて振り返ったヴィルが見たのは、まさしく捜し求めていたアリソンの笑顔だった。ヴィルはほっと胸を撫で下ろす。
「良かった。無事だったんだね、アリソン……」
嬉しさのあまりにその肩を抱き締める。そこから伝わるぬくもりが、今のヴィルには何よりも嬉しいものだった。
「心配したよ……。一体どこに行ってたの?どうやってここまで来たの?」
矢継ぎ早に問い掛けるヴィルの言葉、しかしアリソンはそれには答えず再びヴィルの体に抱きついてくる。
その体重を受け止めながらヴィルは苦笑する。ともかく、無事だったのならば、それに越したことは無い。些細な疑問は後で考えればいいだろう。
だが、ヴィルはふと奇妙なことに気が付いた。そう言えばアリソンは、先程から一言も言葉を発していない。ただニコニコと笑っているだけだ。
アリソンの腕に力がこめられて、ヴィルの足がふらつく。押し返そうにも、まるで大岩のようにアリソンの体はびくともしない。
「ちょっ!?…アリソン、痛いよ」
どんどん力が強くなっていく。これがこんな細身な女の子の力なのか?ついに堪えきれなくなって、ヴィルは床の上に押し倒される。
ヴィルの上に乗っかったアリソン、その笑顔が一瞬邪悪に歪む。背筋が凍りつくようなその表情に、ヴィルはそれがアリソンではないと確信する。
「お前は……誰だ?」
「………アリソンよ」
その口から漏れたのは、アリソンそっくりな声。しかし、何かが違う。何かが致命的に欠けている。必死に睨みつけるヴィルに、それは笑顔を崩しもせず、もう一度口を開く。
「私はアリソン……今日からは、私がアリソン・ウィッティングトンなのよ…」

呼吸が出来ない。なにかぐにゃぐにゃしたものに口を塞がれている。息苦しさに目を覚ましたアリソンは、自分の置かれている状況に戸惑った。
目の前に見えるのは見覚えのある顔、ハンサムな顔立ちのその男はアリソンとヴィルの友人、壁画発見の英雄カー・ベネディクトだ。
(私、ベネディクトさんにキスされてるの?)
ベネディクトの頭の向こうにかすかに覗く絵にも見覚えがある。あれはあの夏の冒険でアリソンたちが発見した壁画だ。
この壁画を見つけた洞窟で、アリソンはベネディクトのプロポーズを受け、キスまでされそうになった。
(これじゃ、まるであの時の……)
見れば、ベネディクトが着ている軍服も、あの時身につけていたものと同じだ。
違うのは、ヴィルに服を引き裂かれてほとんど裸同然のアリソンの姿と、実際にキスをされてしまっているこの状況だ。
もしかしたらあり得たかも知れない光景、その中に今アリソンはいるのだ。
長い長いキスを終えてベネディクトの唇が離れ、アリソンはようやく解放される。
「……はぁはぁ…はぁ…」
荒く息を切らし新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込む。先程、ニセモノのヴィルの責めで登りつめた感覚が残る体は、十分にアリソンの言うことを聞かない。
ふらつきながらベネディクトの方を見る。にこやかなベネディクトの笑顔、しかしそこには先程のヴィルのニセモノと同じ、感情のない瞳があった。
(またなの?)
悪夢はまだ覚めてはいないのだ。またさっきのような目に遭わされるわけにはいかない。しかし、じりじりと後ずさるアリソンを、ベネディクトはいとも簡単に捕まえてしまう。
「いやっ!!はなしてっ!!!」
「震えているんだな……やっぱり君は可愛いよ」
耳元で囁かれる甘い言葉、しかしうっすらと漂ってくる死臭は、目の前の人物の正体が人ならざるものであることを伝えてくる。
抱き締めてくる腕から逃れようともがくアリソン、その努力を嘲笑うかのように這い回る指先に愛撫されると、絶頂の余韻の残る体は望まぬ快感に震える。
背後に回られ、いとも簡単に腕を組み伏される。そのまま大事なところへと伸ばされた指が、ズブリとアリソンの中に侵入してくる。
「ああっ!!そんな、そこっ!?いやああああああああっ!!!!」
下腹部から背骨を通って電流のように快感が駆け抜け、アリソンは背中を仰け反らせてさけぶ。先程の行為でアリソンの体は異常に敏感になっているようだった。
膣内をかき回されその度に明滅する意識の中で、アリソンは長い金髪を振り乱し泣き叫ぶ。
「ふあああっ!!…や…も…ゆるしてぇ!!!…あううっ!!!!」
思うさまにアリソンを弄んだベネディクトは、もはや自力で立つ事もままならず、ぜえぜえと息を切らすだけのアリソンの体から指を引き抜く。
その指先にはアリソンの膣奥から滲み出た愛液だけではなく、ヴィルのニセモノに放たれた白濁も絡み付いている。
「ほう、まさか既にお楽しみの後だったとは思わなかったよ」
べとべとに汚れた指先、それをこれ見よがしにアリソンの目の前に持って来て、ベネディクトは愉快そうに語りかける。
「相手は愛しのヴィル君かな?」
「ちが…アイツ、あんな奴がヴィルのはずがないわ!!」
恥ずかしさで目に涙をため、顔を赤くしたアリソンが叫ぶ。
「じゃあ、ヴィル君に告白して早々、もう浮気をお楽しみだったというわけか……」
「そんな、ちがうっ!!!」
「ちがわないさ……」
ベネディクトはニヤリと笑い、アリソンの口の中に汚れた指先を突っ込む。アリソンの精液の生臭さが口いっぱいに広がった。
「ヴィル君以外の相手に身を任せて、しかもイっちゃったんだろ?君は一途な娘だと思っていたんだが……」
口の中に突っ込まれた指のせいで反論の言葉を発することも出来ず、もう一方の残された指先でアソコを蹂躙されながら、アリソンは屈辱の涙を流す。
その時、アリソンの視線の先で影が動き、誰かが近づいてくる足音が聞こえた。
「ベネディクト、あなた一人でアリソンさんを楽しむつもり?」
現れたのは、これもまたアリソンが良く見知っている人物だった。ベネディクトの恋人で、イクス王国の次期女王であるフィオナの姿がそこにあった。
「お久しぶりね、アリソンさん」
コイツも本物である筈がない。警戒するアリソンだが、ベネディクトに組み伏せられた状態ではどうしようもない。
目の前までやって来たフィオナは、自分の顔をアリソンの顔に近づけてくる。どんよりとした瞳に真っ向から覗き込まれて、アリソンの体がすくむ。
「私も一緒に楽しませてもらおうかしら……」
そう言って、フィオナは細い指先をアリソンの秘裂に滑り込ませた。同時に二つの手によってもたらされる快感がアリソンを襲う。
「ひああっ!!あああんっ!!…フィオナさ…らめぇ!!!」
「気持ちいいのね、アリソンさん。大丈夫よ、恥ずかしがらなくても、あなたがエッチなことが大好きなことぐらい、私は最初から知ってるもの…」
フィオナの言葉に、アリソンは激しく首を横に振って否定する。ニセモノとわかっていても、友達の声で聞かされる蔑みの言葉は、想像以上の精神的ダメージとなった。
「エッチなことが大好きだから。犯されたかったから。あのヴィル君が偽者とわかっても、アリソンさんは抵抗しなかったのよね…」
(ちがうわ…そんなはずない)
間断なく二つの指先がアリソンの膣奥をぐちゅぐちゅ掻き乱す。
優しいフィオナの指先、荒々しいベネディクトの指先、タイプの違う責めがもたらす快楽に交互に襲われて、アリソンの意識は朦朧とし始める。
「えっちなことが大好きだから、ニセモノの私たちにも、したいようにさせているのよね……」
(うああ…違う違う違う違う…ちがうのにぃ…)
フィオナの指先の動きがだんだんと激しさを増していく。かき回されたあたりに、なにか熱の塊のようなものができていく感覚がある。
「ふふっ…私がもっと気持ちよくしてあげるわね」
そう言ったフィオナは、指を一気に膣内から引き抜く。それに付いて行くかのように、熱の塊が外に飛び出し、太く長い棒のような形をとった。
「これで、私も一緒に楽しめるわね……」
そこに出現したのはまさしく、いきり立つ男性のモノであった。アリソンの股間から聳え立つそれは、ドクドクと脈打ち、先端からはすでに大量の先走りが溢れている。
「ああ…うああ…なに?…これ、なんなのぉ?」
事態の異常さに、アリソンの頭脳はついて行くことができない。風に晒されるだけで熱くたぎるそれ全体が震え、脳が焼きつくような快感が身を焦がす。
呆然とするアリソンの前でフィオナは服を脱ぎ、ベネディクトに抱きかかえられるようにして座るアリソンの上にまたがった。
露になったその秘裂は溢れ出た愛液しとどに濡れている。フィオナがこれから何をしようとしているのか、その予感にアリソンのモノがビクビクと震える。
「…あ…いやぁ…こんなの…ああ…あああっ!!」
逃げられない絶望感と、快感への期待に揺れるアリソンの顔が泣き笑いの表情を浮かべる。
「いくわよ…」
そう言ったフィオナがゆっくりと腰をおろし始めると、アリソンのモノはフィオナの秘裂の狭間に吸い込まれるように入っていく。
膣肉に食い締められるような感覚と伝わってくる熱さだけで、アリソンには気が狂いそうなほどの快感となってしまう。
「ふあああっ!!!あああああんっ!!!ひうううっ!!」
やがてフィオナはゆっくりと腰を動かし始める。アリソンのモノをくわえ込んだ秘裂は、上下するたびにぬめる粘膜で全体を擦り上げる。
必死に耐えようと歯を食いしばるアリソンだが、脳裏を満たす甘い奔流がわずかばかりの抵抗すら押し流してしまう。
「あっ!あああんっ!!らめぇ!!こん…なぁ…らめらよぉおおおっ!!!」
与えられる快感に意識も霞む。しかし、既にボロボロなアリソンを、第二の衝撃が襲う。
「や!?…ひあああっ!!!そんな…アソコまでぇえええっ!!!」
ベネディクトがアリソンの秘裂に、自分の怒張したモノを挿入し始めたのである。突き上げるたびに体の奥で飛び散る快感の火花が、さらにアリソンを追い詰める。
フィオナの腰使いは激しさを増し、ランダムな二つの動きはアリソンの体を翻弄して、種類の異なる二つの快感の間で、アリソンの心は引き裂かれていく。
「ひゃうううっ!!?…うああ…ムリ…こんな…これ以上はムリよぉ!!…ひあああああ!!!?」
もう逃げ出す気力など何処にも残されていなかった。フィオナにいきり立つモノを弄ばれ、ベネディクトに突き上げられ、心の中は次第に快感だけに支配されていく。
(ああっ…こんなの嫌なのに…どうして私は?)
拒絶しようのない快感の波が、理性を押し流していくのが感じられる。ギリギリまで張り詰めていた何かが、アリソンの中でブッツリと切れた。
「ああああああああっ!!!!!イクっ!!?イクぅううううううぅっ!!!!!!!!」
叫びながらアリソンは絶頂へと達する。同時に自分の股間にそびえる男性のモノから、熱い欲望が放たれるのを感じた。
「ひあああああっ!!!出てるのっ!!?すご…こんな…止まんない!!!止まんないよおおおおおおおっ!!!!!!!」
ビュクビュクドクドクと際限なく白濁が放出される。体の奥にあるものまで吸い取られていくような感覚に、アリソンは白目を剥いて痙攣する。
「ああ…まだ出てるぅ…すご…おちんちん…すごいよぉ……」
どこまで吐き出しても終わらないその快楽の霧に紛れて、アリソンは再びその意識を闇に落としていった。

「くっ…うああ…や…もうやめ…」
暗い館の片隅の廊下で、アリソンの姿をした何者かに組み伏せられたヴィルは、望まぬ行為を強要されていた。
幾度も絶頂に達しているというのに、目の前で快楽を貪るソレは、一向に満足しようとする気配が感じられない。
「…う…ああ…アリソン…アリソン…」
涙目のヴィルは、今はここにいない恋人の名を何度も呼ぶ。自分がこんな目に遭わされているという事は、アリソンもどんな状況に陥っているかわからない。
なんとか逃げ出して、探しに行かなければ……。
「まだ前のアリソンのことを気にしているの?どんなに呼んでみたって、今は私がアリソンなのよ……」
「お前は…アリソンなんかじゃ…ない」
必死の思いで睨みつけても、ソレはただ微笑んでみせるだけだった。
「怖い顔しないで、ヴィル……。あなたは私がどれだけあなたを思っているか、知らないのね…」
そう言ってヴィルの唇に、今日何度目かのキスをすると、淫靡に微笑んだそいつはヴィルの頬を撫でて、嬉しそうに体をくねらせる。
「いいわ。教えてあげる。……そもそもはヴィル、あなたがいけないのよ……あなたがあんな風に私の前に現れたりしなければ……」
意味がわからずに僅かに眉根を寄せたヴィルの顔、精一杯に睨みつけてくるその表情を見下ろしながら、ソレはゆっくりと語り始めた。
ソレはいつのころからか打ち捨てられたこの館の、最後の持ち主の娘だった。
忌まわしい事件で死に絶えた一族は、その存在そのものが周囲の住民の記憶から忘れ去られていった。
その事件で最後に命を落とした娘、その意識は点に召されることなく館に留まった。それから数百年近い月日を、娘はたった一人孤独に過ごすことになった。
「でも、とある春の日、あなたが私の目の前に現れた」
偶然に館に辿り着いた少年は、ここを気に入って折に触れては訪れてくるようになったのだ。
優しい少年の存在が娘の孤独を癒した。次に来るときを待ちわびるだけで、これまでのろのろとしか進まなかった時間は、矢の如くに過ぎていった。
「あなたがここに来たときは、いつも私が横にいたのよ。あなたが木陰で本を読むときも、地面に寝転がって、高い空を見上げているときも……」
少年がいるとき娘は幸せだったけれど、少年には自分が見えていないという事がもどかしかった。自分がここにいると伝えられないことが辛かった。
時折少年が嬉しそうに読んでいる手紙、その相手の少女、少年が心の底から大事にしているであろう人物が妬ましかった。
自分が望んでも得られないこの少年の愛情を、手紙の娘は一身に受けている。ほとんど憎悪に近い、黒い想念が娘の中を満たしていった。
そうこうしてる内に、月日はどんどん過ぎ去っていった。やがて嫌でも意識しなければならなくなった。少年が卒業して、この土地から巣立っていくときのことを……。
「生きてるときだって、こんなに焦った事はなかったわ。だけど、どんなに考えたところで方法はない、そう思っていたのだけれど……」
奇跡は突然に起きた。娘は自分が、今までにない力を振るうことが出来るようになっていると気が付いた。
忌まわしい館に澱のように滞っていたエネルギー、それが娘の煩悶に呼応して、一定の方向を与えられてのだ。
娘は強大な力を手に入れた。
「この力を使って、あなたを手に入れる。あなたの大好きなアリソンになって、あなたを私のものにする……」
恍惚とした表情を浮かべ、アリソンの姿の娘がつぶやく。この少年の、ヴィルの愛を受けるのは、自分だけであるべきなのだ。
ヴィルの大好きな幼馴染み、心から愛するアリソン、その位置は私にこそ相応しい。だから………。
「ヴィル、好きよ。大好きよ。心から愛してるわ」
うっとりとした娘の言葉は、しかし今のヴィルの耳には入っていなかった。
本当に目の前の娘が、アリソンと入れ替わろうとしているなら、本物のアリソンは今どうなっているのだ?
「アリソンを…どうしたんだ!!!」
「こだわるわね……」
ヴィルに怒鳴られて、娘はアリソンそっくりの顔を不機嫌そうに歪ませる。
「今更見つけたところで、あの娘はもうマトモじゃなくなって……」
最後まで言い終える前に、娘は宙へと吹っ飛ばされていた。
「な…なにするのよ?」
起き上がったときには、ヴィルの姿は目の前から消えていた。アリソンを探しに駆け出したのだろう。
「まあ良いわ……見つけてせいぜい思い知れば良い。あの娘がどんなに汚らわしいのかを……」
吐き捨てるように呟かれた娘の言葉も、廊下を駆け抜けるヴィルには届いていない。全てを捨てて、ヴィルはアリソンのもとへと向かう。
「アリソン……無事でいて!!」

再びアリソンの意識が闇の中から浮かび上がる。またも周りの風景が変わっていた。豪華な内装の部屋、しかし何があったのかズタボロに荒らされている。
耳に届くのはガタンゴトンと一定のリズムで響いてくる音、これは列車が走るときの音だ。
アリソンはようやくここが何処であるかに気付く。ここは、この春に乗った大陸横断鉄道の中だ。
またしても見覚えのある景色の中に連れ出されたアリソン、その眼前には大きくなった男性のモノが突き出されている。
先程からアリソンは、それを一心不乱に舐め上げ、しゃぶりつき、口に含んで奉仕をしていた。こんなことはしたくない筈なのに、体が言うことを聞いてくれない。
(なんで…なんで私……こんなこと…してるの?)
体は完全にアリソンの意識から離れていた。嫌がる心とは裏腹に、奉仕を続ける舌先が休まる事は一度もない。
上目遣いに見上げる視界の中にあったのは、またも知っている人物の顔だった。男の名はイーエン、あの旅行でアリソン達に襲い掛かってきたてテロル氏のボディーガードだ。
ある意味では実直すぎるほどの男であったイーエン、しかしアリソンの口腔奉仕を受け続けるこの男の目は、やはりドロドロと濁った光を宿している。
こいつも、ニセモノだ……。
「ふあ…んぅ……んむぅ…ぴちゃぴちゃ…くちゅ…あっ…んんっ」
太く長いサオに舌を丹念に這わせ、鈴口を舌先で刺激する。口をきゅっとしぼめて全体を締め上げながら、何度もストロークを繰り返す。
自らが行っているいやらしい行為、すればするほどに熱く疼き、快感に震える自分の体に、アリソンの意識はただ呆然とするばかりだった。
「ふああ…ん…すきぃ……おひんひん…すきなのぉ…」
(な…何を言ってるの、私?)
自分の口が心にもないことを、夢でも見るようなうっとりした口調でしゃべる。耐えがたい恥辱にアリソンの目に涙が浮かぶが、行為はまだ終わらない。
うっとりとした目つきで執拗に怒張にしゃぶりつく。この行為はまぎれもなく自分の体が、自分自身がやっていることなのだ。
「…ん…ふむぅ…んん…はぁはぁ……んくぅっ…んんぅっ!!!!?…」
絶え間なく続くアリソンの舌技に耐えかねて、ついにその先端から熱い白濁が放たれる。
(うあ…出てる……出てるよぉ…)
吐き出してしまいたいのに、次から次へと溢れ出るそれを、自分の体は次々と嚥下していく。喉越しの悪い粘液が、アリソンの食道を汚しぬく。
「ふああ……せーえき…いっぱい……ああん…すごいよぉ…」
意思とは間逆の、みだらな言葉が次々と溢れてくる。本当に自分はどうしてしまったんだろう?なんで私はこんなことを喜んでいるんだろう?
アソコからとめどもなく愛液が湧き出てくるのがわかる。体中が触られたい、苛められたいとひくついている。体の奥底が、熱く疼く。
「くくっ…淫乱め……」
吐き捨てるように言ったイーエンに突き飛ばされて、アリソンは床の上に仰向けに転がる。その姿にイーエンは嘲笑うかのような笑みを浮かべる。
「そんなにコレがほしいのか?お友達連中を皆殺しにした俺のモノが……」
(えっ!?)
奉仕をやめて十分に見渡せるようになった視界の中、いくつもの死体が転がっているのが見えた。そのどれもが、アリソンの大事な人たちだ。
頭を砕かれたベネディクト、首をへし折られたフィオナ、アリソンの父アイカシア大佐も腹に何発もの銃弾を喰らって事切れている。
そして、イーエンの背中の向こう、あそこに転がっている少年は………。
(いやぁ…嘘!こんなの嘘よ!!)
「淫売め…そんなにしたいなら、俺がしてやろうじゃないか」
体は相変わらず言うことを聞かず、泣き叫ぶこともできない。顔の筋肉が引きつる。イーエンの言葉に、自分の顔が淫らな笑みを浮かべているのだとわかる。
アリソンの体の上に覆い被さったイーエンは、乱暴な手つきでアリソンへの愛撫を開始する。
「ああっ……あううっ!!…ひあ…ああんっ!!きもひ…いひのぉ!!!」
乳首をねじ切られそうなほどに捻られても、無理矢理に何本もの指をアソコに突っ込まれても、苦痛なはずの行為に甘い吐息を漏らしてしまう。
後ろの穴にまで指を入れられ、べとつく舌で体中をねぶられれば、歓喜のあまりに背中を仰け反らせて大声を上げる。
(こんなぁ…嫌なのに……嫌なのにぃ…)
大切な人たちが死に絶えた悪夢のような光景の中で、アリソンの体は快楽だけを求めて身をくねらせる。死者を踏みつけるような行為がアリソンの心を責め立てる。
「気持ちいいか、ええっ?気持ちいいんだろう?」
「はいぃ…きもひいい…ひああっ!!きもひいいのぉ…」
どんなに意識で否定しようとも、快楽の中でただ嬌声を上げるだけの体は、貪欲に快感を求め続ける。
(これが……本当の…私なの?)
秘裂に深く指を突っ込まれて、アリソンの体は小さく絶頂を迎える。イーエンは一旦アリソンから離れ、にやついた視線を投げかけてくる。
(こんな…みんなが死んだのに……こんなことして喜んでいるのが…私なの?)
途絶えてしまった行為に、自分がどんなに物欲しそうな表情をしているのかがわかる。欲しいのだ。あの男の股間にいきり立つモノが……。
「これが欲しいか?」
(嫌…そんなの……いらない…)
しかし、口から出てくるのは全く正反対の言葉だ。
「ほしいよぉ…おひんひん…ほしいのぉ……アリソンのここに…いれてほしいのぉ」
搾り出すような哀願の言葉にイーエンは意地悪に微笑む。
「人に頼むときに、そんな言葉づかいはないだろう?」
体中が熱かった。自分がソレを欲しがっていることを否定するのは、もうムリなように感じられた。
アリソンの口がゆっくりと開かれる。
「くらさい…ありそんに……おひんひん…」
(ああ……私、本当にしてもらいたいんだな…)
「イーエンさんの…おっきいの…ありそんのここに…いれてほしいの…」
(最低だな、私……。最低の女だよ…)
「ぐちゅぐちゅに…かきまぜてほしいんれす…」
(もう、いいや……もう、どうでもいい。私なんて、どうでもいいんだ…)
「いっぱい…いっぱい…せーえき…いれてほしいの…」
(汚れてしまえばいい。こんな私なんて、犯されて、汚されて、消えてしまえばいい…)
「きもひよくしてほしいの……イかせてほしいの…」
(そうだ、コレを入れてもらえばいい。それが本当の私なんだから……)
「おねがい…しますぅ…いれてくださひ…」
(お願い、それを私に入れて!犯して!)
大きく息を吸い込む。もう、心と体は引き裂かれてはいなかった。深い深い心の闇の中で、アリソンは自分の望みを叫んだ。
「わたしを…おかしてくださいぃ…ソレを…いれてくださひぃいいいいいいいっ!!!!!!!!!」
大きく張り上げた声は、先程までとは違う悲痛な響きがこもっていた。ぼろぼろとこぼれる涙は歓喜故か、それとも全てを投げ出した絶望のためか……。
満足げに微笑んだイーエンが再びアリソンに覆い被さり、挿入を開始する。
「ああああああああっ!!!!!はいってくるぅ!!?はいってくるのぉ!!!」
アリソンの秘裂を押し割り、イーエンのモノが奥へと入ってくる。待ち焦がれた感覚に、アリソンの体はガクガクと震える。
叩きつけるようにして腰が動かされ始める。前後する太く硬いモノに擦り上げられた入り口が、たちまち赤く充血しはじめる。
「あああっ!!!いいよぉ!!もっと突いてっ!!!かきまぜてぇ!!!」
長い金髪を振り乱しながら叫ぶアリソンの声、なんとか絶望を忘れてしまおうと口にする言葉が痛々しい。
子宮まで届くイーエンの動きが、頭を白く霞ませるほどの快感を与えると同時に、アリソンの中の大事なものもボロボロと崩れていく。
「くるっひゃうううううっ!!!!?きもちよすぎて…私ぃ!!!!ああああああんっ!!!!!」
本当に狂ってしまえばいい。こんな酷い自分の事を忘れられるなら、もうどうなってしまってもいい。
激しく突き入れられ、細い体を弓なりに反らせて、ただ喘ぐだけの存在にアリソンは変わっていく。
気持ち悪いはずのイーエンとのキスにも、積極的に応じる。口の端に唾液を垂らして、よがり声を上げて、アリソンは壊れていく。
「ああっ!!もう、ひんじゃううううっ!!!わたし…これ以上されたら…ふああああああああっ!!!!!」
叫び声が止まらない。もう何が本当の自分だったのかもわからない。
焼け付くような快感だけで満たされたアリソンの体を、イーエンがとどめとばかりに突き上げた。
「あああああっ!!!!?イクっ!!イクぅううっ!!!イっちゃううううううっ!!!!!ひああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
仰け反った背中が痙攣を起こしたように震え、押し寄せる快感の波に流されて、アリソンは絶頂に達した。
(ああ…ごめん、ヴィル……)
残された最後の理性の中でそう呟いてから、アリソンの意識は絶望の闇の中に、粉々に砕けて消えた。
アリソンの姿の娘から逃れ、全速力で廊下を駆け抜けるヴィル、その行き先はアリソンが消えたあのドアの向こうの部屋だ。
アリソンの姿をしてみせたあの娘の能力、それはおそらく幻覚を見せる類のものだ。ならば、アリソンは消えたのではなく、幻によって見えなくなっただけではないのか?
「アリソンはきっと、今もあの部屋の中にいる……」
ヴィルの走る先に遠く、あのドアが見えた。しかし、ヴィルはスピードを緩めることなく、体当たりでドアを突き破った。
部屋の中は相変わらずの無人、しかしこれが幻であるとすれば、それを見せてるのは……。
「これだっ!!!!」
ヴィルは拳を思い切り振るって、壁にかけられている無数の鏡の一つを叩き割った。瞬間、空間が歪み、霧が晴れるように、部屋の本当の姿が現れた。
そこにヴィルが見たのは、あまりに悲惨な光景だった。
「アリソン……そんな…」
無数の腐肉のような触手に捕らわれ、犯され続けているアリソンの姿がそこにあった。快楽に蕩けきった顔で、白濁にまみれたその姿にヴィルは膝から崩れ落ちそうになる。
「ああんっ!!いいのぉ!!!もっとついてぇえええっ!!!!」
両手に握った異形のモノに交互にしゃぶりつき、前後の穴を貫かれながら腰を振るアリソンには、ヴィルの姿は見えていないようだった。
「ふふっ、だから言ったでしょ……」
いつの間に追いついたのか、この惨状を引き起こした張本人の声が、ヴィルの後ろから聞こえてきた。
「これがこの娘の本当の姿よ……。快楽だけを追い求めて喘ぐ、ただのメス豚よ……」
「違う……」
娘の言葉に答えたヴィル、振り返ったその顔はほとんど見せる事のない怒りの表情が浮かんでいた。
「こんなこと……アリソンは望んでいない…」
ヴィルには聞こえていた。わかっていた。快感に漏れ出るアリソンの声、その裏にある悲痛な響き、絶望に打ちひしがれた心の叫びを……。
ヴィルの剣幕に気圧されて何も言えずにいる娘を残して、ヴィルはアリソンの方に歩み寄る。
「アリソン……」
自分が汚れるのも構わずに、その肩に両手を置いた。叫びだしたい気持ちを押さえ込んで、ヴィルはアリソンに語りかける。
「アリソン、しっかりして……」
そこでようやくヴィルの存在に気付いたのか、アリソンは虚ろな瞳でヴィルの顔を見つめた。
「あ……ヴィルだぁ……」
弱弱しい声、それでも精一杯ヴィルに微笑むアリソン。あまりに痛々しいその姿を見るほど、抱き締めてあげたいのにその気力が湧いてこない。
「アリソン…アリソン、僕は……」
なんと言ってあげればいいのだろう?どうすればアリソンを慰めてあげられるのだろう?力なく膝をついたヴィルに、アリソンはポツリポツリと語りかける。
「ヴィル……げんきだして………わたしは…だいじょぶよ…ほら……みんながこうやって…わたしをきもちよくしてくれるの……」
そう言ってアリソンは、触手の一つに頬ずりした。体中に巻きつきアリソンを拘束する触手、その粘液に汚れてアリソンの体はべとべとだ。
「…わたし…もうどうでもいいんだ……じぶんが…どんなにひどいこなのかわかったんだ……もうわたしのなか…からっぽなんだ…なにものこってないの…」
ヴィルの肩が細かく震える。耐えかねたように漏れ出た呻き声に、アリソンが心配そうにヴィルの肩を撫でる。
「でも…ほんと…だいじょぶなのよ……いまはもう…とってもきもちよくて…すごく気持ちよくて……だから……なにもなくなっちゃったけど…わたしはいいの…」
壊れきったアリソンの声、表情に、ヴィルの後ろでアリソンの姿の娘がほくそえむ。
アリソンを襲った仕打ちの酷さ、アリソンが追いやられた絶望の深さに、ヴィルは言葉もなくうつむくしかない。
(もう、駄目なのか…アリソンはこのまま……)
今の自分には、アリソンを救い出してあげることはできない。
どうしようもない現状に、ヴィルが全てを投げ出そうとしたその時、アリソンはもう一度、嬉しそうに語り始めた。
「それに…今は…ヴィルがいるもの……」
どこまでも続く責めに、ぼんやりとした表情を見せなかったアリソンの顔が、はじめて嬉しそうに微笑んだ。
「いろんなことがあってね……わたしのなかに…なんにもなくなっちゃったとおもったんだけど……でも、ひとつだけ…なくならなかったんだ……」
ぽつりぽつりと語られるアリソンの言葉は、ただ優しかった。ヴィルは顔を上げて、もう一度アリソンの顔を覗き込む。
「…わたしのなか…ヴィルだけがのこってたんだ……ずっとずっと…すきだったヴィルのこと…ヴィルのことをかんがえるだけで…なんだかドキドキして……」
それはアリソンの心の奥底から語られた真実の言葉だった。ヴィルは自分の手足に、心に、力が戻ってくるのを感じた。
「だから…いまはしあわせなんだよ…ヴィルがいるもの……いてくれるだけでいいんだ……ヴィルがいてくれるだけで…わたしは……」
にっこりと微笑むアリソンの笑顔が眩しかった。ヴィルの目から涙が溢れ出る。
(ああ、いつだってアリソンはこうだったんだ……)
一緒に歩んできたこれまでの日々が蘇る。一人では出来ないことも、二人でならすることが出来た。
何かに向かって踏み出す力。アリソンはいつだってヴィルに、そんな勇気をくれた。今、この瞬間も……。
「アリソン、好きだよ……」
力いっぱいに、アリソンの体を抱き締める。巻きついていた触手はいとも簡単に断ち切られて、細かな粒子となって消えた。
「もう放さない!!アリソン……」
その一部始終を、アリソンの姿を借りた娘は呆然と見ているしかなかった。勝敗は誰の目にも明らかだ。しかし、だからといって諦めきれるものでもない。
「嘘でしょ!!そんないやらしい娘の方が良いって言うの?」
アリソンを抱き締めたままのヴィルがうなずく。明白な事実の前に、娘の言葉は空しく響くばかりだ。
「いやよっ!!ヴィルは私のもの!!私のものなのよっ!!!!!」
何度も首を横に振る娘に、アリソンを抱き締めたままのヴィルが語りかける。
「ごめんなさい……僕は、アリソンと一緒に生きてゆきたい。一緒にいてくれるだけでいいと言ってくれたアリソンと……」
娘は床に力なく突っ伏した。もうどうにもならない事はわかっていた。もう自分ではヴィルの心を手に入れる事はできない。
「本当にごめんなさい……ただ、最後に…あなたの本当の姿を見せてくれませんか?」
「えっ?」
ヴィルの言葉に、娘は顔を上げる。
「自分の姿を隠して…アリソンの姿を借りて……それじゃあ、仮に僕の心を手に入れたって、きっと辛いだけです。だから……」
ヴィルの言葉に、娘は泣き笑いの顔でうなずいた。娘の周りで光の粒子が渦巻く。それが晴れたとき、中にいた娘の姿はもうアリソンのものではなかった。
肩までの黒髪が美しい、ヴィルやアリソンと同じぐらいの年恰好の少女。恥ずかしそうに微笑んだ頬が赤く染まる。
「きれい……ですよ」
「……ありがとう……そして……本当に、ごめんなさい……」
娘はずっと、会ったこともないアリソンの影に怯えていた。愛しのヴィルの心に常にいるその少女に、自分では勝てる気がしなかった。
その恐れが、ここまでの事態を引き起こしてしまった。
それでも自分の姿が、この少年の心の隅にでも残るというのなら……。
「ヴィ…ヴィル?ちょっと…痛いよ…」
その時、ヴィルの腕の中でぎゅうぎゅうと力任せに抱き締められていたアリソンが、苦しそうにうめいた。
「アリソン、気が付いたの!?」
「う、うん……まあ、なんとか…ね……」
アリソンが笑顔で答えると、嬉しさ余ったヴィルの腕にさらにぎゅううううっと力が込められる。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!…嬉しいけど、やっぱり痛い~」
「あっ…ご、ごめん!!」
館の娘は微笑ましいその光景を眩しそうに見つめる。そして、覚悟を決めてアリソンに語りかけた。
「あの……ごめんなさい、アリソンさん。私のせいで、本当に……」
自分がアリソンに行った仕打ちは、謝って済まされるようなものではない。それでも、ここで逃げ出すわけにはいかない。ケジメをつけなければいけない。
しかし、アリソンの答えはさっぱりとしたものだった。
「いいわよ。気にしなくたって、私は全然平気だもの……」
「でも……」
ぼろぼろな姿も、赤く泣きはらした目も、流した涙の後も、とても平気なようには見えなかった。
「もう済んだことじゃない。あなただって、ずっと辛かったんでしょ…」
ふらつきながらも、ヴィルに支えられてアリソンは立ち上がる。
「それでも気になるのなら……えいっ!!」
アリソンのデコピンが、娘の額に命中した。ただし、手加減無しの本気のやつだ。娘は思わず悲鳴を上げる。
「いたぁいっ!!」
「これで痛み分け………でしょ?」
完全にむこうのペースに巻き込まれてしまっている。これじゃあ敵わないわけだ。この二人の間には割って入るのは、きっと自分には荷が重すぎた。
娘はやれやれと苦笑を漏らした。

と、その時、アリソンが突然ヴィルに寄りかかり、先程ヴィルにされたのと同じぐらい強くヴィルの体を抱き締めた。
「えっ!?アリソン、何?何なの?」
「いや、そのちょっと恥ずかしいんだけれど……」
驚いたヴィルに、アリソンはモジモジしながら答える。
「実は……さんざん悪い夢の中で苛められた感じがまだ体に残ってて……さっきヴィルに思いっきり抱き締められたら……おさまりがつかなくなってきて……」
「ええっ!?ちょ…ちょっと待ってよ…今、ここで?」
反論する暇もなく、ヴィルはアリソンの手で床に引き倒される。その様子を見ていた館の娘は嬉しそうに笑って部屋の外へと出て行く。
「お邪魔みたいだから、私はどこかに行っておくわね…」
「そんな…あなたまで!?」
軽やかな足取りで、ドアの外の廊下に消えていった娘に、ヴィルは虚しく手を伸ばす。バタンとドアが閉まって、部屋の中には二人だけが残された。
「アリソン、本気なの?」
「本気も本気、超本気よ!!!」
何だか知らないが得意げに胸まで張ってみせるアリソンに、ヴィルはこれ以上反論の言葉を思いつかなかった。
「私はヴィルとしたいの………私がエッチなことを一緒にしたいのはヴィルだけなの!!」
アリソンの目の端に涙が浮かぶのが見えた。ヴィルは、アリソンが味わったであろう耐えがたい仕打ちを思いやる。
必死に元気に振る舞っていても、やっぱり平気なわけがない。それでもずっとアリソンは、ギリギリの所で耐え忍んできたのだ。
抱き締めてあげたかった。一つになりたかった。
熱い思いが、愛しさが、胸の内にとめどもなくこみあげて、ヴィルは思わずアリソンにキスしていた。
「ん…んんっ…ヴィルぅ…」
強く肩を抱き寄せ、舌を絡ませあう。そのまま体勢を逆転させて、今度はヴィルの方がアリソンの上になった。
「僕もアリソンと……したい」
アリソンが笑って、ヴィルの顔が赤くなる。ヴィルは壊れ物でも扱うかのように、恐る恐る、そっとアリソンの胸に手を触れた。
温かく柔らかいその肌の上を、いたわるようにヴィルの指先が撫でる。
悪夢の中の行為のような激しさのかわりに、どこまでもアリソンのことを思いやるヴィルの優しさが伝わってくるようだ。
「ああっ!!ふあああっ!!ヴィルっ!ヴィルぅ!!!」
アリソンの体は前に一度だけした時よりも、敏感さを増しているようだった。ヴィルは的確にアリソンが感じるポイントを刺激し、快感を与える。
「アリソン、好きだよ……」
乳首を甘噛みし、鎖骨から首筋へと舐めあげる。柔らかいお尻からしなやかな背筋に指を這わせると、華奢な体がブルブルと快感に震える。
白い肌も、きらめく金髪も、どこまでも澄み渡った青い瞳も、アリソンの全てが素晴らしく美しいと思った。
「ここも、きれいだよ……」
「や、そんな…はうぅ…言わないでぇ…」
既に濡れ始めていた大事な部分にも舌を這わせる。舌先を奥のほうに突っ込むと駆け抜ける甘い電撃にアリソンは声を上げる。
ヴィルに触れられたところ全てがどんどん気持ちよくなって、抑えようもなく声が大きくなっていく。
「うああ…ひうぅ……ヴィル…私もう我慢…できない……」
「あ…はぁはぁ…アリソン…僕も…」
潤んだ目で見詰め合った二人は、もう一度口づけを交わす。重ねあった手の平を、強く握り合った。大きくなったヴィルのモノが、アリソンの大事なところにあてがわれる。
「いくよ、アリソン……」
「うん……」
二人うなずきあってから、ヴィルは挿入を開始する。自分のモノがアリソンに包まれている感覚、アリソンの中に進入していく感覚にヴィルは震える。
ゆっくりと優しく動き始めると、二人の間に同時に駆け抜ける快感が、今自分たちは一つになっているのだと実感させてくれる。
「はうぅっ!!ああんっ!!…ひあああっ!!!ああっ!ヴィルぅ、気持ちいいよぉ!!!」
「くぅ!!アリソンのなか、あついよ…!!」
抱き締めあう腕に自然と力がこもっていく。密着させた肌から伝わるお互いの体温が愛しい。
ペースを上げながらも、ヴィルはアリソンの体中を愛撫し続けることを忘れない。アリソンの全てを味わいたかった。
「ひあああああっ!!…ちくびばっかり…いじったらぁ…やぁっ!!」
どうやら特に敏感であるらしいアリソンのちくびを、左右同時に指先でこね回す。甘く霞むアリソンの吐息がヴィルの興奮をさらに高める。
「ああっ!!や…も…ふあああああっ!!!!…ああんっ!!!!…ひあ…あっ!ああんっ!!」
どんどんと荒くなっていくアリソンの呼吸、ヴィルも自分が限界に近づいているのを感じていた。
鼓動が高まって二人の動きが激しくなっていく。最後に登りつめる高みに向かって、二人はこれまで以上に激しくお互いを求め合った。そして……
「アリソンっ!!アリソンッッ!!!!」
「ふあああああっ!!!!イっちゃうぅ!!ヴィルっ!!!?ヴィルううううっ!!!!?」
アリソンが弓なりに反らせた背中を絶頂に震わせ、ヴィルはアリソンの中へと自分の熱を放つ。
同時に達した二人は強く抱き締めあったまま、深い眠りへと落ちていった。

人気のない未舗装の道の上を一台のサイドカーが滑るように走っていく。乗っているのは勿論、アリソンとヴィルの二人だ。
あの後目を覚ました二人は、館の玄関で二人仲良く抱き合って寝転がっていた。
二人の衣服には館での出来事の痕跡はなく、お互いの記憶しかそれが起こったという証拠は残されていなかった。
外の地面もぬかるんだ様子はなく、そもそもあの雨自体が、館の娘の見せた幻であったらしい。
帰り道、ヴィルの口数は少なかった。何がどうあろうと、今日の事件の発端は全て自分にあるのだ。
自分があの館を見つけ、アリソンを連れて来て、結局あんな目に遭わせてしまった……。
「あのさ、ヴィル。私は今日のこと、ヴィルのせいだなんておもってないからね」
元気のないヴィルを見かねて、アリソンが口を開いた。
「……って言っても、やっぱり気にしちゃうわよね。責任感強いもんね、ヴィルは……」
アリソンはやれやれとばかりに首を振ってから、こう続けた。
「ただ、忘れないでね。私がここで平気そうな顔してられるのも、ヴィルが一緒にいてくれるからなのよ」
「アリソン……」
「言ったわよね。一緒にいてくれるだけで、幸せだって………」
その言葉に、ヴィルはようやく俯いていた顔を上げて言葉を返す。
「ありがとう、アリソン。僕も……同じだよ」
得意げな顔で微笑むアリソンに、ヴィルの顔からも笑顔がこぼれた。
一直線の道の先には、すっかり傾いた太陽が沈もうとしている。本当に長い一日だった。
「そういえばね、目が覚める前、夢の中であの娘が私にだけ教えてくれた事があるの……」
「何?」
やたら嬉しそうに言ったアリソンの言葉に、ヴィルも気になって尋ね返す。
「あの娘が見せてくる幻って、相手の頭の中を読み取って作ってたらしいんだけど……」
アリソンはそこで一旦言葉を切ってから、悪戯っぽく笑ってこう続けた。
「ヴィルの頭の中覗いたら、私のことで一杯だったってさ……」
アリソンの方を向いたまま、ヴィルの顔が固まった。耳まで真っ赤になって、言葉が一言も出せなくなる。
「ほらほら、前見て運転しなきゃ危ないわよ。安全運転、安全運転」
「あっ!?う、うん!!」
ギクシャクした動きで再び前を向いたヴィルを横目で見ながら、アリソンは二人一緒にいられる喜びを噛み締めた。



※おまけ

実はヴィルとアリソンは全てが終わってから館の玄関で目を覚ますまでに、一度あの娘に起こされていた。
そうして何が行われていたかというと……

『くっ…うああ…や…もうやめ…』
壁に掛けられた大きな鏡に、涙目のヴィルの顔が大きく映っていた。娘の化けた偽アリソンに行為を強要されたときの映像である。
その前に体育座りで並んで、顔を赤らめながら見入っているのはアリソンと館の娘だ。
「どう?どう?アリソンさん!!」
「う、うん……これはなかなか……」
当のヴィルは二人のあまりの仕打ちに堪えかねて、部屋の隅っこに一人でうずくまっている。
「私、ヴィルとしたのは今日でまだ2回目だけど……2回ともどっちかっていうとヴィルがリードしてくれたから…こんな風なヴィルを見るの初めてで……」
「そうでしょうとも!そうでしょうとも!」
「うあ…なんだかドキドキしてきた……」
「そうでしょうとも!そうでしょうとも!」
すっかり盛り上がっている二人の話をなるだけ聞かないように、ヴィルは両手でしっかりと耳を塞いで、災難が過ぎ去るのを待つ。
しかし……
「な、な、なんだか俄然、燃えてきたわ」
「うん!うん!うん!うん!!!」
立ち上がった二人は無情にもヴィルのもとへと近づいてくる。肩をポンと叩かれて、ヴィルは恐る恐る後ろを振り向いた。
ロウソクやらムチやら荒縄やら、その他わけのわからない道具をどっさり持った二人が、そこに立っていた。
「「さあヴィル、第二ラウンドといきましょ!!」」
可愛くポーズをつけて微笑んだ二人の顔に、ヴィルは引きつった笑顔を返したのだった……。
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